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〔本感想〕 人はなぜ物語を求めるのか ◆ 誰でもみんな、分かったつもりのストーリーテラー

 この本のタイトルがいう物語(ストーリー)は、普段使っているような「お話」だけを指しているわけではありません。現実で当たり前に行われている、事実の再構成のことも含まれています。
 たとえばこういう事実が散らばっていたとします。

  1、犬が飼い主のそばで鳴き始める
  2、飼い主はえさを準備する
  3、犬はえさを食べる
  4、食べ終えた犬は飼い主のそばに戻ったが、もう鳴かない

 これを再構成するなら、犬は空腹に耐えかねて飼い主にえさを催促し、食べ終えたら満足して鳴きやんだ、ということになりそうです。飼い主は自身の行動を決定する際、こうしたストーリーを想定して動いたはずです。おそらく何の気もなしに。
 社会の構成員として生きていくため、基本的に有用なのがストーリーのたちの悪いところ。私たちはこの物語るという有用な能力を、自分や他人を苦しめるために使ったりすることがあります。

 〇〇だから〇〇した。〇〇のせいで〇〇が起きた。〇〇だったから〇〇になってしまった。ただの前後関係のあいだに、自責や他責のための因果関係、あるいは突拍子もない因果関係を――物語を作り出す。そしてそれが正しい前提で言動を決定してしまう。
 自分が何かにつけて物語るくせをもつ生き物だということを知っていれば、著者の言う通り少し過ごしやすくなるかもしれませんね。私もそうですが、前後関係をすぐネガティブな因果関係として読み解いてしまう方は、一度手に取ってみてはどうでしょうか。


(欄外)
storyteller (ジーニアス英和辞典)
『物語を話す人』『物語作家』『うそつき』
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