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〔本感想〕 ファンタジーのDNA 荻原規子

 小説を自発的に読み始めたのは高校1年生の終わりごろから。それまで「トムソーヤーの冒険」「ハックルベリーの冒険」「ロビンソンクルーソー」「ファーブル昆虫記」「シートン動物記」などなど、読んだ(読まされた)ものはことごとく何も響かず、途中で飽きて読み捨ててきています。

 作家の読書遍歴のようなものを読むたび、自分がまったく楽しめなかったものを、すでに小学生の時に楽しみつくしていたことにぼんやりと嫉妬してしまう気持ち、少しはわかっていただけるでしょうか。(漫画やゲームについては思い出がたくさんあるので、そこまで激しくはない嫉妬で済んでいます)

 この本でも、「ナルニア国物語」を中心に、幼いころから親しんできた本たちへの愛情が惜しみもなく語られています。
 著者はファンタジー長編が翻訳されることが稀な不遇の時代から、ずっとファンタジーの力を信じてきた方で、ハリーポッターの大ブレイクを契機にようやく自分の大好きなものが広がりはじめた状況に対する喜びが、文章の端々から伝わってきました。(2006年出版)

 人によっては「取るに足らない空想の産物」のようなニュアンスで「ファンタジー」という言葉を比喩的に使いますが、著者の認識では、ファンタジーは神話に立脚した、フィクションの王道です。
 神話は当時の人々が自分たちの言葉で現実を理解しようとした成果だという解釈は素敵で、神話に対する敬意からも、そこによってたつファンタジーへの深い愛情が透けて見えます。

 彼女と同世代で同じくファンタジー不遇の時代を経験してきた方なら、まず間違いなく楽しめる一冊です。


(欄外)
著者が読んでいたのはこれかもしれません。
小学館/少年少女世界の名作文学 全50巻 1964-1968年

(欄外2)
派手に魔法攻撃がぶつかりあうような漫画・ゲーム的ファンタジーはおそらく彼女の定義するファンタジーの中に入れてもらえていません。ちょっと寂しい。
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