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都市の起源 古代の先進地域 西アジアを掘る 小泉龍人

◆ 情勢不安により考古学調査が困難となっている西アジア。その先史時代、都市化の動きについてまとめた一冊。

 個人個人の副葬品に際立った差異の見られない都市化以前の社会と、明らかに社会的格差の生まれてくる都市化進展後の社会が、発掘された現物をもとに概観されています。

 格差にまつわるさまざまな事例を見ていると、都市化以前の平等な社会のほうがいいじゃないか、なんで都市化なんてしたんだと思ってしまいますね。けれど、西アジアにおける都市は、水や緑に恵まれない過酷な自然環境の中で、生きやすさを志向した結果として生まれていきました。

 また、地球環境の変動も背景にはあったようです。温暖化によって海水が陸地を浸蝕しはじめ、耕作地を放棄して「よそもの」にならざるを得なかった人々。そして非食糧生産民をじゅうぶんに賄えるだけのたくわえを持ち、「よそもの」の労働力を容れて、都市化の道を歩みだす集落。

 親族を基本とした緩やかな連帯から、「よそもの」にも通用する強権的な共同体の維持へ流れるなか、個人の資質や能力に応じた仕事、戦争や格差や娯楽といった、陰陽さまざまのものが生み出されてきました。
 1万年近く遠回りしてもまだまだたどりつく気配はありませんが、結局人間が最終的に目指しているのは、より安全でより多様な生き方を導入した、先史時代の再興なのかもしれないですね。
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