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〔本感想〕 皮膚は考える/傳田光洋 ◆ 情報処理能力にすぐれた第三の脳……これまで軽視されてきた皮膚のもつ役割

 先達の研究、何度も繰り返した実験・皮膚との対話により得られた(2005年当時までの)数々の知見をもとに、皮膚の占める意外な重要性を伝えてくれる本です。1冊丸ごと皮膚にさかれていて、とにかく興味深い。

 一方では体液の漏出を押しとどめる「外臓」としての役割があり、一方では環境の変化を受けて自律的に動き、さまざまな作用を生み出す力がある。そして脳神経と似た受容体をもつ。著者は、バリア機能と肌荒れのためだけに、いまだ謎の多い脳神経系と同様の構造をもっているとは思えない、としています。数々の実験結果を示されてきたあとなので、皮膚の持つさらなる可能性についての意見には説得力があります。

 皮膚状態と精神状態の関連性、そして最後の方では、鍼灸など、皮膚を入り口にした東洋医学との関連性も指摘しています。
 2001年の学会で掲示した皮膚の受容体についてのポスター発表では、興味を持ってくれた研究者はたったひとりだけ。「皮膚にそんな深みはない」とされていた時期を乗り越えて書かれたこの本からは、著者の研究にかける思いが強く伝わってきて、これが科学書のもつ魅力のひとつだと感じられました。

 すでにお気づきかと思われますが、実験実験と言葉をにごして肝心な仕組みの詳細は省いています。ネタバレを避けるというよりも、うまく説明できず、間違った情報を伝えてしまいそうで怖いからです。そんな科学音痴でも楽しめる1冊、ぜひ著者の熱量に触れてみてください。
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