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〔本感想〕 脱貧困の経済学 飯田泰之、雨宮処凛

◆ ぼんやりした議論もあるけれど、具体的にひとつひとつの提言を検討していく部分は面白く読める。

 経済学者の飯田さんと反貧困活動家の雨宮さんの対談本。2009年出版。
 対談なのでどうしてもお互いに気遣いあった議論になってしまい、特に中盤はインターネットで拾い読みできる程度の話です。ありがちな世代間対立の再生産・当事者たちの思いを雑然と斟酌する話になってしまっていて、焦点がぼやけています。

 ただ、反貧困活動を実際になさっている雨宮さんが具体的な要求をし、飯田さんがそれは可能なのかどうか検討していくようなところは面白かったですね。低所得者のために行われる行動が低所得者の首を絞めているような、そういった部分にはきっちり経済学者として反論している。逆に世間で無理だと思われているようなところに、根拠をもって賛成する。
 飯田さんは、経済学者は予想される便益と費用を提示するところまでしかできない、あとは政治と言論の仕事です、と潔く経済学者の限界を認めているので、読んでいて素直に入ってきました。

 特に面白かったのは「経済成長」に関する話。経済成長という言葉に悪いイメージしかないという雨宮さんに対して、貧困対策には経済成長が必要ですと説明するところ。
 なんでも飯田さんの話によると、放っておいても仕事は年に2%ほど効率化してしまうらしいんですね(情報源がどこかは無記載)。経済成長がないと仕事がたいして増えないわけだから、経済成長が0%で、2%の効率化が起こると、2%ぶん仕事が要らなくなる。ただ必要以上に経済成長をすると今度は格差の問題が起きてくるので、2%の経済成長でプラマイゼロくらいがひとつの目安だそうです。
 まあ単純に考えて、ただでさえ問題のある制度設計ならば、今より経済が悪化したらさらに悪くなりますね。

 これ以外にもちらほら面白い部分はあったのですが、中盤のぼんやりさと、ほとんど飯田さんの話以外はめぼしい情報がないというところで物足りなさも。これなら別に、飯田さんの本を読めばいいわけですから。
 あとは、脱貧困の経済学とうたいつつ、現状で貧困者が頼れるセーフティネット、現状から脱出するきっかけについての、具体的なお金の話がほとんどなかったのも不満ですね。
 生活保護の申請から受給までの流れとか、水際作戦で生活保護の申請を断られた場合にするべきこととか、税金の所得による控除とか、現場で本当に役立つ職業訓練はどれだ! とか。使いこなせばどうにか生き延びられるような情報をガンガン紹介していくようなページは最低でも欲しかったです。
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