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〔本感想〕 考えるノート 佐々木直彦

 精神医学・心理学に、メタ認知と言う用語がある。簡単に言えば、自分を一段高いところから認識する能力のことだ。歴史番組などで活躍する脳科学者の中野信子氏はこの用語を好んで使い、歴史上優れた事績を残した人々はこの能力が非常に高かったと分析する。

 また、最近精神疾患の治療に用いられる認知行動療法では、自分がなぜその状況を恐れているのか、なぜその状況に怒りを爆発させてしまうのか、シートに書き出すという作業も行われる。自分が陥りやすい思考スパイラルを認識できる利点がある。

 まさにそれらの利点を得ようとするのが、この本に書いてある思考術だろう。
 「なぜ、そうなるのか」ノートに大きく問いを書き、思いつく限りの理由を列挙する。そうすることで、自分の思考が、目に見える形でしっかりと現れる。
 書き出したものから重要なものを柱としてピックアップして、〇を使って、視覚的に楽しい形にまとめる。5段階の思考でさらに問いを深め、「なぜ」に納得のいく答えを出していく。

 言っていることは大したことではない。目新しい、衝撃を受ける、目から鱗、なんていう言葉とは無縁の本だ。物足りなく感じる人もいるだろうが、とりあえず大学ノートを開いてみてから考えても遅くはない。
 この本のノートのとり方を実際に真似てみたところ、初めのページに書いた「なぜ」から、次のページで書くべき「なぜ」が浮かび上がり、次々に問いがわいてでてきた。手を動かしながら思考が文字になっていくのは、単純におもしろい。

 5年前の1月22日に考えていたことを記憶から引っ張り出す、などということは一部の天才にしかできないが、ノートに書きとめておくことなら誰でもできる。そのノートは自分の思考そのもの、過去の思考の地層だ。著者も過去のノートからアイディアのヒントを得るときがよくあるらしい。彼の言う通り、過去のノートは財産になるかもしれない。


(欄外)
 ロックバンド藍坊主のベース・藤森真一さんが、ホンシェルジュというサイトのインタビューでおすすめしていた一冊。
音楽が終わった夜に(藍坊主 インタビューVol.2 )
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