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〔漫画感想〕 calm 斉所

calm 1&2

◆ 同じ時間や同じ場所を共有している人たちも、それぞれの人生をそれぞれに生きている

あらすじ
 ある日、立花凪(なぎ)の働いている会社に、借金の取り立て人がやってきます。片方は年のいったおじさんで、もう一人はボディーガードのような若い無表情男・飯塚環(たまき)。
 彼らの目当ての社長は不在で、二人の帰り際、凪は、環が落としたライターを拾い、手渡す。
 乱雑に受け取られたライター。
 そのささいな一瞬で、交わることのなかった線がまじわる。

 間もなく会社は倒産。仕事を理由に休んでいたけれど、凪は幼いころから書道に打ち込んできていました。彼女は他の先生の下についたあと、親戚の家を借りて書道教室を開くことになります。(当然食べられないので、アルバイトをしながら)

三者三様
 基本的には三人のことが描かれます。
 展覧会に出す書について悩む凪。
 凪の妹・樒(しきみ)の友達で、小さいころから自分の欲を封じ込めてきた水絵。
 そして偶然、市の展覧会に出品されていた凪の書を見かけた環。

 書に没頭するなか、酔っぱらった頭で凪は考える。
『文字は誰しもが書くのに』
『世には書をするヒトとせぇへんヒトがおる』
『それってどういうコト?』

 自分の欲望をおさえつけて外側に追いやっている水絵は、ぼんやり考える。
『それから私は自分の欲望を外に追いやって』
『そのうえそれを葬ろうとしたら復讐された』
『だからただの自業自得やけど』
『でもお陰で私の欲望は』
『私の中にもどってきた』

 環は、自分の置かれてきた境遇と旧友の置かれている境遇を強烈に意識させられる出来事のあと、それに比べて「いろいろなものをもっている」ように見える凪に、静かな怒りをぶつけてしまう。
『下らんのはオレや』

一本の筆
 登場人物たちは流れる時間を共有しながらも、それぞれの生活の中でそれぞれが経験することは全く違っている。
 終わりも近づいた14話と15話で、凪と環が固く握りしめた一本の不思議な筆が、日常と非日常を結びつける場面は圧巻。
 14話の最後のページ(右側)と15話の最後のページ(左側)を合わせるとひとつの見開きページになる、あの構成の仕方が本当に大好きです。

 個人漫画家が発表した作品なので、単行本1巻分のボリュームながら300円。試し読みもできるので、興味を持たれた方はどうぞ→calm 1話
 ちなみに、『らいすけいくす』という番外編もあり、そちらは凪の友人・ワカコを主人公にした短編。こちらもおすすめ。
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