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〔本感想〕 アウトニア王国奮戦記3 でたまか 純情可憐編 鷹見一幸

アウトニア王国奮戦記3 でたまか 純情可憐篇<でたまか> (角川スニーカー文庫)

◆ ここまでの流れで大好きになっていた、徹底して争いを避けようと努力していたアウトニアの人々が……。傑作ライトSF小説第1部完。

 宇宙に二か所しかないマガザン帝国とローデス連合の接点のひとつ、アウトニア回廊をめぐり、激戦地となっているはずのアウトニア。ただ、実際にはアウトニアは平和そのもの。それはローデス辺境軍とアウトニア王国の協力関係によって、前もって折衝を重ねた「戦争ショー」でお互いの本国をペテンにかけていたためでした。
 しかしその関係は、ローデス連合本国が戦争の実際をかぎつけたことから崩れ、「本当の戦争」が始まってしまいました。

 アウトニアと、ローデス連合が契約したミリオン傭兵隊との戦いは長引いていましたが、そのなかでも双方に戦死者はほとんど出ません。
 アウトニア軍を動かす主人公のマイドは、さまざまな人々の力を借りて、2巻で、優勢な戦況を作り出すことに成功しました。3巻では、食料も尽きかけて追い込まれたミリオン傭兵隊が、意地と誇りをかけて仕掛けてこようとする「最終決戦」から逃げ回り、傭兵隊の財源を断つ方向へ動きます。
 それは敵対するミリオン傭兵隊をすら救おうという、青臭い、理想主義者たちの戦いでした。

 ここまで読んで、おそらく多くの読者はこのアウトニアの人々が大好きになっています。けれど帝国からの支援を引き出すために利用した手段のひとつが、帝国全土に、「辺境で立派に戦い抜くアウトニア」を支援する大ブームを巻き起こしてしまいました。あらゆる害意を引き寄せるほど大活躍してしまったマイドは、帝国中央の陰謀に巻き込まれていくことに。

 第十三章のタイトルは『絶望と希望』、最終第十五章のタイトルは『終焉』。
 読んでる間、楽しいシーンでもこの章題がずっと頭にあって、「読みたくない」と「やっぱり気になる」のあいだを何度も行き来していました。
 この巻の表紙や副題からは想像もつかないラストを読んだら、続きを読まないわけには……。


(欄外)
 著者のツイートによると、『でたまか第一部の三巻のラストが、ああなった理由は売れ行きが悪く「打ち切り」を食らったためです。それ以降が出せたのは、あの打ち切りで「続きが読みたい」という読者からのアンケートが集中したためで、読者の支えで一旦打ち切りを食らって復活し全16巻まで続いた稀有な作品でした』とのこと。
 その展開に持ち込んだ著者の力はもちろん、この作品を支えた先輩ファンの方々の力、本当にすごいですね。
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