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〔本感想〕 グランクレスト戦記(5)(6) システィナの解放者 水野良

グランクレスト戦記 (5) システィナの解放者 (上) (富士見ファンタジア文庫) グランクレスト戦記 (6) システィナの解放者(下) (ファンタジア文庫)

◆ 乱世にあって夢想家と蔑まれながらも王道をゆく若き君主テオと、契約魔法師シルーカの活躍を描いたファンタジー小説。


(上下巻合わせての感想)

 テオの出身地であるシスティナは、ロッシーニ家の領する島国。魔境と呼ばれるほどの災害多発地帯で、さらには領主ロッシーニ家の合理的な圧政に人々が苦しめられています。海の通行を制限する大渦潮があり、そこを通行できるのはロッシーニ家の航海技術があればこそで、逃げ出すこともできません。

 いつか故郷を圧政から解き放つ。「輸出」される奴隷が乗せられた船に潜り込んでシスティナを脱出したテオは、そのことを最重要目的として、大陸で力を蓄えてきました。
 5巻まで来てようやくその機会が訪れましたが、システィナは、餓死者が出るほど貧しく、強固な支配態勢を築きあげたロッシーニ家への恐怖でお互いの言動を監視し合う、異様な土地でした。

 恐怖の生み出す鎖にがんじがらめにされ、圧政に対するあきらめが支配している人々の前で、シルーカが前もって用意していた戦略は頓挫。
 それでもあきらめないテオとシルーカたちは、驚くような方法で人心を掴んでいき、ロッシーニたちと激戦を展開することに。


 この小説の中には、契約魔法師という制度があります。それは中立を標榜する魔法師協会から派遣された魔法師が、君主の手助けをするというもの。
 テオを支えるシルーカもそのひとり。
 契約魔法師は軍略、政治ともに精通したプロフェッショナルで、彼らの言うことを聞いておけばめったな間違いは起きないといえるほどです。
 しかしそのせいで実権は魔法師が握っているも同然で、「お飾り」に過ぎない君主が増え、魔法師、ひいては魔法師協会の望ましい方向へ誘導されています。
 自らも一線級の軍略家、政略家であるダルタニア太守ミルザーですら、契約魔法師の助けなしに、領土を統治することができない……。どこかで聞いたような話ですね。

 そんな物語の裏側も少しずつ見え始め、テオとシルーカの命を狙う人間の影もちらつくなか、次巻でもロッシーニ家以上の難敵が待っています。テオとシルーカは「これからもうまくいく保証はどこにもない」「長くは生きられない」と考えていますが、どちらも欠けることなく、最後まで辿り着いてほしいですね。
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