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〔本感想〕 草野心平詩集 草野心平

草野心平詩集 (岩波文庫)

◆ 泣き出すことも当りまへぢやないか/みんな生理的なお話ぢやないか


宮沢賢治は生前、いまほど高く評価されていなかった。
そんな彼を生前から高く評価していたのが、草野心平だった。
草野心平は宮沢賢治の詩文を自ら主宰する同人誌に載せたり、
遺稿を整理し全集の形にしたりしたらしい。
(参考URL)

宮沢賢治の書いた詩は控えめに言って難解だ。
控えずに言うとまったく意味の読み取れないものが多い。
読んでいて途方に暮れることもよくある。
その宮沢賢治を評価した人物であるから、
草野心平の詩も、きっと難解だと思われるかもしれない。

けれど彼の詩は、蛙を題にとった「定本 蛙」シリーズをはじめとした
情感豊かで親しみやすいもの、
               ● (『冬眠』)のように
タイトルと黒丸ひとつで構成された詩など
「これは詩ですか?」と突っ込みを入れたくなるようなものすらも、
とにかく読んでいて楽しいのだ。

もちろん作者には意図があるのだろうが、
私たちに、
黒丸がひとつだけおかれた詩の意図を
正確にくみ取ることはできない。

「意味なんてない」。
意味を読み取ることに慣れた私たちが
意味というしがらみから抜け出せる場所、
それが詩の世界なのかもしれない。

そして親しみやすく楽しい詩が終わると、
冷たい風が吹き抜けるような静寂の風景、
あるいは生きること、死ぬことについてするどくついた
くらい無常の世界が目の前に現れる。

数年前に読んだ『ヤマカガシの腹の中から仲間に告げるゲリゲの言葉』。
死に直面した蛙の独白が大好きで
この詩が収録されていることから手に取ったが、
これからも読み返す詩集になるかもしれない。

草野心平の多様な詩世界に没頭できる一冊だ。
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